ブレリア (Bulería)
ブレリアはヘレス・デ・ラ・フロンテラの最も特徴的なフラメンコの曲です。「ブジェリア(bullería)」に由来しており、「ブジャ(bulla)」は叫び及びハレオ(掛け声)、「ブルレリア(burlería)」は冷やかしの意味があります。一般的に3行又は4行8音節の構成で、バイレとギターにとっては最も複雑な曲の一つとなっています。明るく、にぎやかで陽気な曲です。
早いテンポと力強いリズムが特徴で、他の曲よりも手拍子、掛け声がよく似合う曲です。ブレリアはフラメンコのお祭り騒ぎの締めくくりの踊りとして用いられることが多いです(半円になって、一人ずつ前に出て音楽の一部を踊る)。
ロコ・マテオはソレアレスやソレアを終えるためにブレリアを演奏した最初の人物です。それゆえにブレリアはソレアから派生したものとなっています。バイレのためのにぎやかなカンテという特徴を持っています。起源は19世紀末と考えられており、シンフォニア・ビルトゥアル(Sinfonía Virtual)という雑誌にはギジェルモ・カストロが17世紀に「ブレリア」という用語を使用し始めたと資料で裏付けをしました。しかしながら20世紀の初めまでフラメンコにおいてブレリアの意味は定着しませんでした。以前はブレリアが最初に使われ始めたのはセビリア美術館(Museo de Bellas Artes)に保管されている「バイレ・ポル・ブレリアス(Baile por Bulerías)」(1844)という題のもとに描かれたホセ・ガルシア・ラモンの油絵だと考えられていましたが、現在ではこの絵には「タンゴ(Tango)」「バレエダンサー(Bailarina)」「踊り(El Baile)」等、他の題が付けられていたことがわかっています。そして20世紀後半まで「バイレ・ポル・ブレリアス(Baile por Bulerías)」とは呼ばれていませんでした。もっともフラメンコらしいブレリアはフリジアンスケールで演奏されます。
ブレリアで最も有名なのは、テレモト・デ・ヘレス、ラ・パケーラ・デ・ヘレス、カマロン・デ・ラ・イスラ、ホセ・メルセ、フェルナンド・デ・ラ・モレーナなどのカンタオールです。有名なギタリストにはモライート・チコ、ニーニョ・ミゲル、マヌエル・モラオ、パコ・デ・ルシア、パコ・セペロ、トマティート、ディエゴ・デル・モラオ、ビセンテ・アミーゴがいます。